よくある修理(3135の場合)

時計内部の駆動機構(キャリバー)によって故障しやすい箇所があります。
今回は80年代後半から使用されている、CAL.3135についてお話したいと思います。

3135はサブマリーナやデイトジャストなどでも使用されているキャリバーです。
3135でよくあるのは自動巻き機構を支えているローター真の摩耗です。

こちらのキャリバーは、出荷時から短期間で油が切れやすい傾向にあります。
そのため、ローター真が傷つく環境に置かれやすいのが要因です。

写真の1枚目の矢印部分がローター真です。
2枚目のローター中央部分のくぼみに固定した状態でムーブメントに搭載されています。

ローター真の摩耗が軽度のうちにオーバーホールを実施すれば、パーツを交換せず修理を行うことが出来ます。

しかし油が完全に切れた状態で時計を使い続けると、深刻な事態を招きます。

ローター真が過剰に痩せて、ローターを正しい位置で固定出来ず、ガタツキが発生します。

その結果、ローターがムーブメントやバックケースに接触し、傷つけてしまう危険性が高まってしまうのです。

そうなると、複数のパーツ交換が必要になり修理代金が高額になってしまいます。

該当モデルをお持ちの方は、ぜひ一度、耳元で時計を振ってみてください。「キュウキュウ」「コトコト」「カタカタ」と異音がしたら要注意!また時計が頻繁に止まるなどの症状も放置しないようにしましょう。

ローターが各部を削ってしまう前に!(金属粉も時計の精度に影響を及ぼします。)

まだ動くからと修理を後回しにせず、早めのオーバーホールを心掛けてみてくださいね。