カレンダーの早送りについて

皆様は「日付変更禁止時間帯」をご存知でしょうか。
カレンダー付の腕時計をお持ちの方は月が変わると、日にちを合わせるためにリュウズを回して合わせますよね。
いわゆる「早送り」と言われているものですね。
実はその早送りをする際に、禁止されているタイミングがあります。
そのタイミングとして一般的に定義されているのが、
「時計が示す時間が20:00~4:00(夜8時から翌朝4時)の間」となっています。
その時間帯に早送りすると時計の部品に悪影響を及ぼす可能性があります。
そうならないためにも、適したタイミングを覚えていてはいかがでしょうか。

夜の何時から朝の何時とは覚えにくいので、午前・午後を考えずに文字盤の下半分と考えれば覚えやすそうですね。
(文字盤の下半分だと3時から9時を表すので、1時間ずつの差異があるので注意ですが…。)
間違いないのは6時に合わせて早送りすると安全だということですね。


先ほども記述しましたがクォーツ時計・機械式時計どちらでも言えることで、
禁止されているタイミングで早送りをすると、部品の欠損が生じる可能性があるのです。
1回やるだけでは壊れない、とは断言できなくて繰り返すと壊れることもあります。

実際に部品が壊れてしまい、交換となるとカレンダー車(日付が書いている歯車)は
当店で\10,000程の料金が掛かります。
金額はお店にもよるでしょうが、少なくない出費が生じてしまいます。
そうならないためにも、上記の時間帯を意識して早送りすることが良いと思われます。

時計の中には「日付変更禁止時間帯」が無いモデルもあります。
例えば「デイトジャスト41 Cal.126300」「デイトジャスト36 Cal.126233」などが挙げられます。
新しいロレックスのムーブメントはCal.3235が搭載されているものもそうなります。
他にもありますが、今一度、ご自身の時計を確認されてはいかがでしょうか?


最後に実際に禁止時間帯に早送りした動画がありますので、よろしければご覧ください。
モデルはサブマリーナのCal.3135です。
(動画では不要な時計を用いて行っております。)
20秒辺りでカレンダー車を動かすためのピンと接触しています。
接触して加えられた力を逃がすような機構が備わっているので、上下に動いています。
(カレンダー車の「2」にあるほこりは後程取り除いています。)